VDTとは
「VDT」とは、Visual Display Terminalsの頭文字を取ったものです。具体的には、ディスプレイ、キーボード等により構成されるコンピュータの出力装置の一つで、文字や図形、グラフィック、動画などを表示する装置のことです。「VDT機器」を使用して、データの入力・検索・照合等、文章・画像等の作成・編集・修正等、プログラミング、監視等を行う作業を「VDT作業」といいます。
VDT作業と健康障害
マイクロエレクトロニクスや情報処理を中心とした技術革新により、さらにIT化が進み、VDT機器がより広く職場に導入されるようになりました。それに伴い、労働者の誰もが「VDT作業」を行う(行わなければならない)ようになり、VDT機器を使用する者が急速に増大しました。このように、「VDT作業」は、近年のIT(情報技術)化の進展により広く職場に導入されてきましたが、その作業に長時間従事する者の中には、身体的疲労や精神的疲労を感じるものが高い割合に上るとの調査結果などがあり、労働衛生上の問題も指摘されています。
情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン
(令和元年7月12日付け基発 0712 第3号) ※一部抜粋
♦︎対象となる作業について
①情報機器を用いた事務所作業
(情報機器の例:デスクトップ型パソコン、ノート型パソコン、タブレット、スマートフォン)
②主な作業
データの入力・検索・照合等、文章・画像等の作成・編集・修正等、プログラミング、監視等
③作業の性格にも着目しましょう
<自分の判断で中断が難しい作業>
・モニターによる監視作業、コールセンターでの相談対応
<情報機器を常時使う作業>
・パソコンを用いた校正・編集・デザイン・プログラミング
<考えながら行う作業>
・企画・立案のための文書作成・経理業務、庶務業務
♦︎作業管理:疲れない方法で作業しましょう
<作業時間>
・1日の作業時間が長すぎないように
・1時間以内で1サイクル:サイクルの間は10-15分の作業休止、サイクル中にも1、2回の小休止を
・事業者は、作業者に応じた業務量を
<作業姿勢>
・椅子に深く正しく座り、足は足裏の全体が接するように
・長時間同じ姿勢にならないよう、時折、立ち上がるか、立ち作業を
<機器の調整>
・ディスプレイは、眼から40cm以上の距離、画面の上端は眼の高さまで
・ディスプレイの位置角度、輝度を調節
・ディスプレイと書類を交互に見る作業では、書類を眼が疲れない位置に
♦︎健康管理:情報機器による健康障害を予防しましょう
健康診断の実施、健康相談の機会を設ける、職場体操などの軽い運動の実施
♦︎配慮事項
高齢労働者、障害をもつ労働者、テレワーク実施者
(テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドラインを参照、令和3年)
♦︎作業環境管理:作業に適した環境を整えましょう
<照明等>
・明暗の対照が著しくない室内照明、間接照明はグレア防止に効果的
・ディスプレイと書類を交互に見る作業では、明るさが著しく異ならないように。机上の照度は300ルクス以上が目安。
・太陽光が差し込むときは、窓にブラインドを
<パソコン機器>
・輝度やコントラストの調節機能→眼の保護
・位置や向きの調整機能→正しい姿勢
・動かせるキーボードやマウス→肩こり防止
<タブレット・スマートフォン>
・作業の目的にあったものを選ぶ
・長時間の作業では、キーボードなど外付け機器で疲労を予防
<椅子・机>
・安定して座れ、移動しやすいものを
・座面の高さや背もたれが調節できる
・机や作業台は、機器と書類を置ける広さを
・机の高さは作業者に合ったものを
・机の下は脚が動かせるような広さを
♦︎作業環境の維持管理:機器の汚れなどは健康リスクに
<作業開始前>
・作業面やディスプレイの明るさを確認・情報機器や椅子、机などを点検
<清掃>
・日常及び定期的に、作業場所や情報機器等の清掃を
<事業者による確認>
・照明・採光、グレアの防止、ディスプレイ、キーボード、マウス、椅子、机等の調整状況を定期的に確認
♦︎労働衛生教育:情報機器作業者すべてに対する教育です
(※ただし、情報機器作業に係る労働衛生教育実施要領によること。)
作業者向け教育、管理者向け教育
※参考資料:厚生労働省HP、厚生労働省(職場の安全サイト)HP
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