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職場救急について

職場救急とは

職場は多数の人が集まる場であるため、ときに救急事例が発生します。また、有害作業や危険作業がある職場では化学物質の急性中毒や爆発・火災等の重大な労働災害に関わる救急事例が発生することもあります。近年AED(自動体外式除細動器)が、人の多く集まる場所を中心に全国に普及し、職場にも設置されるようになり、救命救急に関する研修機会も増えています。今回は、職場の救急に焦点を当て、日頃から何をどのように準備しておくべきかをお話します。

救急車を呼んだ方がよい場合

部位別

♦︎手足

突然のしびれ、突然片方の腕や足に力が入らなくなる

♦︎胸や背中

突然の激痛、急な息切れ、呼吸困難、痛む場所が移動する、胸の中央が締め付けられるまたは圧迫されるような痛みが2~3分続く

♦︎顔

顔半分が動きにくい、あるいはしびれる、ニッコリ笑うと口や顔の片方がゆがむ、ろれつがまわりにくい、うまく話せない、視野がかける、ものが突然二重に見える、顔色が明らかに悪い

♦︎腹

突然の激しい腹痛、持続する激しい腹痛、吐血や下血がある

♦︎頭

突然の激しい頭痛、突然の高熱、支えなしで立てないぐらい急にふらつく

症状例

♦︎意識障害

意識がない(返事がない)又はおかしい(もうろうとしている)、ぐったりしている

♦︎けいれん

けいれんが止まらない、けいれんが止まっても意識がもどらない

♦︎けが・やけど

大量の出血を伴う外傷、広範囲のやけど

♦︎吐き気

冷や汗を伴うような強い吐き気

♦︎飲み込み

食べ物をのどにつまらせて呼吸が苦しい、変なものを飲み込んで意識がない

♦︎事故

交通事故にあった(強い衝撃を受けた)、水におぼれている、高所から転落

⚠︎その他、いつもと違う場合、様子がおかしい場合、ためらわずに119番に連絡してください!

一時救命処置(BLS)やAED の使用方法などの研修機会を設けましょう!

新生活様式における救急蘇生

基本的な考え方

・胸骨圧迫のみの場合を含め心肺蘇生はエアロゾル(ウイルスなどを含む微粒子が浮遊した空気)を発生させる可能性があるため、すべての心停止傷病者に感染の疑いがあるものとして対応する。

・成人の心停止に対しては、人工呼吸は行わずに胸骨圧迫とAEDによる電気ショックを実施する。

※必ず周囲を確認し、自身の安全を確保してから行う

新生活様式における救急蘇生法実施時の注意点

♦︎新型コロナウイルス感染症の疑いがある傷病者への「一次救命処置」は、次の点に注意する。

①傷病者の反応を確認をする時、呼吸を観察する時

傷病者の顔と救助者の顔があまり近づきすぎないようにする。

②胸骨圧迫を行う時

エアロゾルの飛散を防ぐため、胸骨圧迫を開始する前に、ハンカチやタオルなどがあれば傷病者の鼻と口にそれをかぶせるように変更する。マスクや衣服などでも代用できる。

③胸骨圧迫30回と人工呼吸2回の組み合わせ

成人に対しては、救助者が講習を受けて人工呼吸の技術を身につけていて、人工呼吸を行う意思がある場合でも、人工呼吸は実施せずに胸骨圧迫だけを続けるように変更する。

④心肺蘇生の実施後

救急隊の到着後に、傷病者を救急隊員に引き継いだあとは、速やかに石鹸と流水で手と顔を十分に洗う。傷病者の鼻と口にかぶせたハンカチやタオルなどは、直接触れないようにして廃棄するのが望ましい。

心肺蘇生法 ※上記記載の点に要注意

【胸骨圧迫】

位置:胸骨の下半分(目安は胸の真ん中) / 方法:両手 / 深さ:約5cm / テンポ:100回〜120回/分

【人工呼吸】

量:胸の上がりが見える程度 / 時間:約1秒 / 回数:2回

【胸骨圧迫と人工呼吸の組み合わせ】

30:2

※参考:茨城産業保健総合支援センター、内閣府、東京消防庁、中央労働災害防止協会、厚生労働省 新型コロナウイルス感染症の流行を踏まえた市民による救急蘇生法について 指針

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