メンタルヘルス不調のサインとして、「遅刻」「欠勤」などがあがりますよね。
とても大切なサインですが、産業医の私に、この時点で相談していただくことが多いのですが、現場はちょっと前から、この方の異変に気がついていることが多いように思います。
担当者「先生、営業部の〇〇が、最近遅刻が目立つようになりまして、、、」
私「他にも気がついたことはありますか?」
担当者「ええ、1ヶ月くらい前からミスが明らかに増えましたね。」
といった具合に。
メンタルヘルス不調について、職場ではやはり最初は
仕事の効率が落ちた(遅くなった)
ケアレスミスが増えた
落ち着きがない
ボーッとしている
など、同僚が気がつくサインがあるようです。
ではなぜ、遅刻や欠勤が出るまで対策ができないのでしょうか?
メンタルヘルス不調は、素人が安易に触れてはいけないと考えられているから?
周りの方も自分で手一杯だから?
相談することは悪いこと?
色々と理由はあるのだと思います。
実際に遅刻が目立つ方と産業医として面談をすると、ご自身では回復が難しい状態になっていて、病院受診や休職を指示することになることが多いです。
メンタルヘルス不調については、対応は早すぎるということはありません。
早い対応は、メンタルヘルス不調の予防になります。
どんなことをすると良いのでしょうか?
カウンセラーなどの専門家に依頼
メンタルヘルス研修
ストレスチェック
どれもよくあり、試された企業様も多いと思います。効果ありましたか?
効果があったというなら、それは否定はしません。
効果をあまり感じれなかったことも多いと思います。
それは、メンタルヘルス不調の予防は、メンタルヘルスにフォーカスしても効果が出にくいからだと思います。
職場全体が「メンタルヘルス」をどうにかしたいと思っていれば先にあげた専門研修は効果がでます。
つまり問題意識のない現場に、メンタルヘルス研修などは従業員にとっては「余計にストレス」なんてことになりかねません。
ですから私は、従業員同士でコミュニケーションの活性化をする取り組みをお勧めしています。
「メンタルヘルスの予防のために、コミュニケーションの、、」なんて野暮な案内はしないことです。
業務の改善のため、新しいオペレーションの為とか何かきっかけを社員に示し、意識を高める必要があります。
私は健康診断の結果をもとに一度しっかり会社としても取り組みをするという形が1番結果が良いように思います。
コミュニケーションの研修を行うことは難しくても保健師と話をすることで社員の健康や良い職場にしようという意識が高まることが期待できます。
ミスした時や落ち着かない気持ちの時に、すぐに気がついて「どうしたの?」「手伝おうか」などと声かけが自然にできると、「孤独」を感じにくい、「安心」が感じられる職場になると思います。
この記事のまとめ
遅刻や欠勤は、もう遅いかもしれない
安易に専門家に依頼しない
孤独にしない土壌づくりが大切