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飲酒と健康障害

酒は百薬の長と言いますが、アルコールがからだにもたらす影響について知っていますか。お酒を飲むとすぐに顔が赤くなる人、どれだけ飲んでも全然酔わない人、これらの違いは何でしょうか。

適度な飲酒とは?

厚生労働省は「健康日本21(第一次)」の中で「節度ある適度な飲酒」を「通常のアルコール代謝能を有する日本人においては、節度ある適度な飲酒として、1日平均純アルコールで20g程度である。」のように定義しています。

純アルコール20gとは大体…

ビール中ビン1本、日本酒1合、チューハイ(7%)350mL缶1本、ウイスキーダブル1杯

さらに、このガイドラインには、1日の飲酒量だけでなく以下の5点がその付帯事項として述べられています。

♦︎女性は男性よりも少ない量が適当である

「アルコールの吸収と分解」の項で、一般に女性は男性に比べてアルコール分解速度が遅いことを説明しています。体重あたり同じ量だけ飲酒したとしても、女性は男性に比べて臓器障害を起こしやすいとも知られています。

♦︎少量の飲酒で顔面紅潮を来す等、アルコール代謝能の低い者では通常の代謝能を有する人よりも少ない量が適当である

少量の飲酒で顔面紅潮を来す場合は、そうでない者に比べて有毒なアセトアルデヒドの血中濃度が高くなり、アルコールの分解が遅れることが説明されています。がんのリスク等も踏まえて、飲酒後にこれらの反応を起こす者は飲酒量を控えることが推奨されています。

♦︎65歳以上の高齢者においては、より少量の飲酒が適当である

高齢者ではアルコールの分解速度が下がることや、血中濃度が高くないにもかかわらず酔い方がひどくなることなどが示唆されています。65歳以上の高齢者の飲酒量は少なくされるべきです。

♦︎アルコール依存症者においては適切な支援のもとに完全断酒が必要。

♦︎飲酒習慣のない人に対してこの量の飲酒を推奨するものではありません。

飲酒と健康障害リスク

飲酒量と健康リスクとの関係は様々なパターンをとることが分かっています。高血圧や脳出血は正比例関係を示すといわれていますが、非飲酒者に比べて少量飲酒者のリスクがむしろ低く、飲酒量が増えればリスクが高くなるというJカーブパターンをとるものもあります。総死亡数・虚血性心疾患・脳梗塞・2型糖尿病などでこのような関係が認められており、飲酒の健康面での利点とされています。

※ただし、Jカーブ関係が認められるのは、先進国の中年男女とされていることに留意が必要です。

引用:「e-ヘルスネット 飲酒とJカーブ」

飲酒のルールを決めて、お酒を楽しむ

■適度な飲酒を

飲酒は1日平均2ドリンク(=20g)以下にして節度ある適度な飲酒を守りましょう。

■女性・高齢者は少なめに

中年男性に比べて、女性や高齢者は飲酒量を控えることをおすすめします。

■赤型体質も少なめに

飲酒後に顔面紅潮などを起こす人をここでは赤型体質とも呼びます。この体質はアルコールの分解が遅く、がんや様々な臓器障害を起こしやすいといわれています。

■たまに飲んでも大酒しない

たとえ飲む回数が少なくとも一時に大量に飲むと、身体を傷めたり事故の危険を増したり依存を進行させたりします。

■食事と一緒にゆっくりと

空腹時に飲んだり一気に飲んだりすると、アルコールの血中濃度が急速に上がり、悪酔いしたり、場合によっては急性アルコール中毒を引き起こします。また、身体を守るためにも濃い酒は薄めて飲むようにしましょう。

■寝酒は極力控えよう

寝酒は睡眠を浅くします。健康な深い睡眠を得るためにお酒の力を借りないほうがよいでしょう。

■週に2日は休肝日

週に2日は肝臓をアルコールから開放しましょう。そうすることで依存も予防できます。

■薬の治療中はノーアルコール

アルコールは薬の効果を強めたり弱めたりします。また精神安定剤と一緒に飲むと、互いの依存を早めることが知られています。

■入浴・運動・仕事前はノーアルコール

飲酒後に入浴や運動をすると、不整脈や血圧の変動を起こすことがあり危険です。またアルコールは運動機能や判断力を低下させます。

■妊娠・授乳中はノーアルコール

胎児の発達を阻害し、胎児性アルコール症候群を引き起こすことがあります。またアルコールは授乳中の母乳に入り、乳児の発達を阻害します。

■依存症者は生涯断酒

依存症は飲酒のコントロールができないことがその特徴で、断酒を続けることが唯一の回復方法です。

■定期的に検診を

定期的に肝機能検査などを受けて、飲み過ぎていないかチェックしましょう。また赤型体質の習慣飲酒者は、食道や大腸のがん検診を受けましょう。

※参考:厚生労働省HP

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