働く高齢者が増えています。厚生労働省では、令和2年3月に「高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン」(エイジフレンドリーガイドライン)を策定しています。このガイドラインでは、高齢者を現に雇用している事業場やこれから雇用する予定の事業場で、事業者と労働者に求められる取組を具体的に示したものです。
働く高齢者が増加(60歳以上の雇用者数は過去10年間で1.5倍)
労働災害のうち60歳以上の労働者が占める割合は1/4以上(2019年は27%)
労働災害発生率は、若年層に比べ高年齢層で高い
事業者に求められる事項
①安全衛生管理体制の確立
・経営トップによる方針表明と体制整備
・危険源の特定等のリスクアセスメントの実施
②職場環境の改善
・身体機能の低下を補う設備・装置の導入(主としてハード面の対策)
・高年齢労働者の特性を考慮した作業管理(主としてソフト面の対策)
③高年齢労働者の健康や体力の状況の把握
・健康状況の把握
・体力の状況の把握
・健康や体力の状況に関する情報の取り扱い
④高年齢労働者の健康や体力の状況に応じた対応
・個々の高年齢労働者の健康や体力の状況を踏まえた措置
・高年齢労働者の状況に応じた業務の提供
・心身両面にわたる健康保持増進措置
⑤安全衛生教育
・高年齢労働者に対する教育
・管理監督者等に対する教育
労働者に求められる事項
生涯にわたり健康で長く活躍できるようにするために、一人ひとりの労働者は、事業者が実施する取組に協力するとともに、自己の健康を守るための努力の重要性を理解し、自らの健康づくりに積極的に取り組むことが必要です。個々の労働者が、自らの身体機能の変化が労働災害リスクにつながり得ることを理解し、労使の協力の下、以下の取組を実情に応じて進めてください。
♦︎自らの身体機能や健康状況を客観的に把握し、健康や体力の維持管理に努めます。
♦︎法定の定期健康診断を必ず受けるとともに、法定の健康診断の対象とならない場合には、地域保健や保険者が行う特定健康診査等を受けるようにします。
♦︎体力チェック等に参加し、自身の体力の水準を確認します。
♦︎日頃からストレッチや軽いスクワット運動等を取り入れ、基礎的体力の維持に取り組みます。
♦︎適正体重の維持、栄養バランスの良い食事等、食習慣や食行動の改善に取り組みます。
参考資料:厚生労働省HP 高年齢労働者の安全衛生対策について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/anzen/newpage_00007.html