みなさん、「名ばかり産業医」という言葉を聞いたことはありますか?
名ばかり産業医状態の損失
どうも「名ばかり産業医」というのは、法律で決まっている(罰則あり)から「選任」をしたけれど、会社にも来なければ、連絡もなかなか取れない産業医のことをあらわす言葉のようです。
50人規模の事業所の場合、産業医の顧問料は月額で15000円から60000円と幅はあるもののかなりの高額です。
「たまに会社に来て、社内を散歩をして、時々従業員と面談してもらったらトラブルになったという」、とても悪いイメージが今の日本には根付いているようです。
反対に「うちはとてもいい産業医で、毎月会社にきてもらい、従業員と定期的なカウンセリングをしてもらって、とても助かっている」という声も聞きます。
日本には9万人の産業医がいると言われていますが、実際に活動しているのはその3分の1で3万人。そのうち何人が「名ばかり産業医」なのでしょう?
産業医の選任義務のある50人以上の事業所がの数は、15万社と言われています。選任率は90%と言われていますから、実働している産業医は1人当たり3~5社を掛け持ちしていることが予想されます。
名ばかり産業医という言葉が社会に根付いているのですから、半数以上が「名ばかり産業医」であると思いますが、顧問料ベースで試算すると、
15000~60000円×7万5千社×12か月
135億~540億円
これは日本の経済に影響があるように思われます。
50万円の罰金があるとはいえ、、、この現状は早急に変えないといけません!
名ばかり産業医状態の産業医の声
実際に「名ばかり産業医」の先生にインタビューしてみました。名誉にかかわることなので産業医の先生の名前は公表できませんが、一部記します。
①30代勤務医
「本業が忙しくて、連絡が来てもすぐに対応ができないんです。本当に申し訳ないと思っている。」
②40代内科開業医
「毎月会社に訪問しているが、ちょっと嫌煙されているように感じるんだ」
③50代内科開業医
「もう10年以上顧問しているが、頼ってこないんだよ。でも、怪我とかの相談はあったけど、専門外だから友人の整形外科を紹介したよ」
④40代精神科開業医
「最初は毎月カウンセリングさせられているけど、正直診療とは違うし、カウンセリングだって侵襲性あるから、なかなか難しいよ。最近は訪問してもカウンセリングに誰も来なくなったよ。」
「名ばかり産業医」は、今の日本の医療をとりまく社会的な要因もあるように思います。
10年前に「名ばかり産業医」問題を解決するために、弊社の代表は産業医事務所を設立しました。真面目に活動をしてきましたが、「名ばかり」で良いという要望も少なくありませんでした。衛生委員会に出席したり、職場巡視を行うと喜ばれるのですが、毎月やらなくても、、、企業様の側も時間的な余裕がないよ、というような声です。
それを解決する方法はないか、、、?
弊社では50人未満むけの「社外健康管理室こころめいと」を2015年から運営しています。この規模の事業所には選任義務はありませんから、「名ばかり産業医」状態の企業と同じ状況です。
社外健康管理室こころめいと https://kokoromate.com
保健師が健康相談窓口で従業員からの相談に対応し、健康診断の結果をもとに全体集計をして担当者にフィードバックする。対象の従業員に保健指導を行う、というすごくシンプルな内容です。たったこれだけですが、3年も継続していると健診結果については明らかな改善をしています。
50人未満の産業医が直接かかわらなくても十分な健康管理ができる!
というモデルを実際に運営して、その効果も実証されました。
弊社の運営する産業医事務所では「名ばかりのようだけど名ばかりでない」プランを用意したのです。そして、産業医の顧問料についても適切な価格であることも重要で、
顧問料は5500円~としています。何事も企業様のニーズに合わせて価格設定をすべきですよね
これが大変好評でした。
こころめいとを運営する傍ら、従業員健康管理システムとして地元企業様の協力のもと開発をしてきました。産業医事務所が運営する「OHME保健室」を活用することで、
「名ばかりなのに名ばかりでない」産業医活動が可能になりました。
「名ばかり産業医」は「かけ持ち産業医」であって、決して能力がないわけではありませんので、企業様にとっても、産業医にとっても意味のある産業保健活動ができることを目指しています。産業医活動をもっとスマートにするためのOHMEチャートはいよいよ来月リリースです!
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