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QOLの維持

QOLの維持

立ったり歩いたり姿勢を維持したりといった日常動作の基盤となる筋肉が、QOL(Quality Of Life:生活の質)に強い影響を与える筋肉といえます。若年層の方にとって筋力不足によって日常生活に支障が出ること、QOL(Quality Of Life:生活の質)に影響を与えるということはまずありませんが、加齢に伴う筋力の低下の進行は深刻な問題であり、それによって日常生活に支障が出ることがあります。

よって、これらの筋肉を鍛えるトレーニングを継続的に行うこと、また日常から活動的な生活を送ることが大切です。

QOLの向上に大切な筋肉

①「膝を伸ばす働きをする大腿前の大腿四頭筋」

②「大腿を後方に振る働きをするお尻の大臀筋」

③「上体を支える腹筋群と背筋群」

これらの筋肉は重力に対して立位の姿勢を維持する働きをすることから、『抗重力筋』もしくは『姿勢維持筋』と呼ばれます。そしてこのような日常の身体活動を支える、QOLに直結した筋肉ほど実は加齢の影響で衰えやすい筋肉でもあるのです。これらの加齢の影響を受けやすい筋肉をしっかりと鍛えることがQOLの維持・向上に大切です。

例えば立ち上がる動作で主要な働きをする大腿前の大腿四頭筋の筋肉量の80歳代の平均値は、30歳代の平均値の半分程度であるという報告があります。

筋力は筋肉量におよそ比例しますので、この報告から考えると30歳代のときに片足で立ちあがる筋力がなければ80歳代になったときに自力で立ち上がることが困難になる可能性が高いということになります。

加齢に伴う筋肉の萎縮を防ぐ

加齢に伴う筋肉の萎縮を防ぐには、ウォーキング・ジョギングなどの運動や、日常から活動的に生活することがなによりも重要です。さらに高い効果を得るためには筋肉に負荷をかけて標的の筋肉を直接鍛えるレジスタンス運動を行うことが進められます。

レジスタンス運動とは

スクワットや腕立て伏せ・腹筋運動などの標的とする筋肉に負荷をかけた動作を繰り返し行う運動のことです。何よりも大切な事は、日常の身体活動を活発にして元気よく過ごすこと、個別に筋肉を鍛えるだけでなく、それらの筋肉を日常からしっかりと使っていくことが大切です。

まずはスロートレーニングから

スロートレーニングとは、筋肉の発揮張力を維持しながらゆっくりと動作するレジスタンス運動のひとつの方法です。比較的軽めの負荷であっても、ゆっくりと動作することで大きな筋肥大・筋力増強効果を得ることができます。関節や筋肉にかかる負荷が小さいことから、安全に行える効果的なレジスタンス運動として期待されています。

〜スクワット〜

強い足腰を作るためのトレーニング方法としてお勧めなのが、座って立ち上がる動作を繰り返し行うスクワットというレジスタンス運動です。立ちあがる動作では膝関節を伸展させる大腿前の大腿四頭筋や股関節を伸展させる(大腿部を後方に振る動作)お尻の大臀筋、太腿裏のハムストリングスなどの下肢全体の筋肉をしっかり鍛えることができます。また胸を張って上体をしっかり支えた姿勢で行いますので、腹筋群・背筋群の強化にも効果があります。

ただし、スクワットにはフォームによっては膝関節を痛めやすいという問題があります。上体がまっすぐに起きて膝が前に出るフォームは、膝伸展筋の大腿四頭筋を鍛える効果的な方法ですが、膝傷害の危険性という点ではあまり勧められません。構造上膝関節が脆弱となる膝が深く屈曲した状態のときに、膝関節にとても強い負荷がかかるフォームだからです。膝や腰の痛みなどの身体症状がある方や体調が優れない方は、注意が必要です。

※厚生労働省 eヘルスネットより

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