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危険予知訓練

危険予知訓練(KYT)とは


危険予知訓練は、職場や作業の状況のなかにひそむ危険要因とそれが引き起こす現象を、職場や作業の状況を描いたイラストシートを使って、また、現場で実際に作業をさせたり、作業してみせたりしながら、小集団で話し合い、考え合い、分かり合って、危険のポイントや重点実施項目を指差唱和・指差呼称で確認して、行動する前に解決する訓練です。危険(キケン、Kiken)のK、予知(ヨチ、Yochi)のY、訓練(トレーニング、Training)のTをとって、KYTといいます。

ヒューマンエラー事故防止のための安全先取り手法

第一線でヒューマンエラー事故を防止し、日々、時々刻々に安全を確保していくためには、リーダーを中心に行う短時間ミーティングで、職場や作業にひそむ危険を自主的に発見、把握、解決する「危険予知のチーム行動」を充実し、一人ひとりの作業者の危険に対する感受性や集中力や問題解決能力や実践への意欲を高めることが必要です。「危険予知訓練」は「職場のみんな」あるいは「1人」で行う、「短時間」の「問題(危険)解決訓練」つまり「安全先取り」のための短時間危険予知活動として実施するものです。また、現場で実際に作業するのは一人ひとりの作業者なので、ヒューマンエラー事故防止するには、作業行動の要所要所で、その時、その場に即して「指差し呼称」で危険のポイントや安全を確認することが必要となります。そのため危険予知訓練に指差し唱和や指差し呼称を組み込み、これを一体のものとした訓練となっています。

危険予知訓練(KYT)を実践する意義

1.安全を確認するための手法

KYTとは、危険に関する情報をお互いに集め、共有化、それを解決していく中から、危険のポイントと行動目標を定め、それを潜在意識に強く訴えて、危険に対する感受性や問題解決能力を高めます。要所要所で指差し呼称を行うことにより、集中力を高めるとともにこれらを顕在意識に呼び起こし、安全を確認して行動するための手法であるといえます。

2.危険情報を潜在意識に叩き込む

人間の行動はほとんどが習慣で、無意識に判断し、体の方が自然に動いていくことで成り立っています。意識下に危険に対する情報を送り込み、それを潜在意識に叩き込んで新しい習慣にし、要所要所で自然に意識に上らせて新しい習慣にしていくことが重要です。

3.危険のポイントと行動目標を指差し呼称で顕在化

意識、習慣はいったん植えつけられると、なかなか消えません。そして、誤まった知識でも正しいものと信じ込んでしまうと、体はそれに従って無意識に反応していきます。したがって、KYTで危険のポイントと行動目標を指差し唱和で体が無意識に反応するぐらいにしっかりと意識下に叩き込んで、作業の要所要所で指差し呼称で顕在化していくことが重要です。

危険予知訓練(KYT)が目指すもの


KYTとは、危険を危険と気付く感受性を鋭くし、危険に対する情報を共有し合い、それをミーティングで解決していく中で問題解決能力を向上し、作業行動の要所要所で指差し呼称を行うことにより集中力を高め、チームワークで実践への意欲を強める手法です。KYTのめざすところは、マナーの良い職場(企業)風土(体質)を、問題(危険)の先取りと問題解決に強いものにするところにあります。その話し合いの中で職場の人間関係も、雰囲気も明るくなり、チームワークもよくなり、職場風土が変わっていく。職場風土がそうなって、はじめてKYTが定着したといえます。

危険予知訓練(KYT)の進め方

職場や作業の状況を描いたイラストシートを使って、あるいは現場で現物で、相手に作業させたり、自分が作業してみせたりしながら、職場の作業の中にひそむ“危険要因”(労働災害や事故の原因となる可能性のある不安全行動や不安全状態)とそれが引き起こす“現象(事故の型)”を職場小集団で話し合い、考え合い、分かり合って(あるいは1人で自問自答して)危険のポイントや行動目標を決定し、それを指差し唱和したり、指差し呼称で確認したりして行動する前に安全を先取りします。

☑︎【現状把握】どんな危険がひそんでいるのか

☑︎【本質追究】これが危険のポイントだ

☑︎【対策樹立】あなたならどうする

☑︎【目標設定】私たちはこうする

※参照:中災防HP、厚生労働省HP

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