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リスクアセスメントについて

1.リスクアセスメントとは

リスクアセスメントは、職場の潜在的な危険性または有害性を見つけ出し、これを除外、低減するための手法です。

労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針では、 「危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づき講ずる措置」の実施、 いわゆるリスクアセスメント等の実施が明記されていますが、2006年(平成18年)4月1日以降、 その実施が労働安全衛生法第28条の2により努力義務化されました。また、その具体的な進め方については、同条第2項に基づき、「危険性又は有害性等の調査等に関する指針」が公表されています。

2.リスクアセスメントの目的

職場のみんなが参加して、職場にある危険の芽(リスク)とそれに対する対策の実状を把握し、災害に至るリスクをできるだけ取り除き、労働災害が生じない職場にすること。

3.リスクアセスメントの効果 

・職場のリスクが明確になる

 職場の潜在的な危険性または有害性が明らかになり、危険の芽を事前に摘むことができる

・職場のリスクに対する認識を、管理者を含めて職場全体で共有できる

 リスクアセスメントは、現場の作業者の参加を得て、管理監督者とともに進めるので、職場全体の共通の認識を持つことができるようになる

・安全対策について、合理的な方法で優先順位を決めることができる

 リスクアセスメントの結果を踏まえ、事業者は許容できないリスクは低減させる必要があるが、 リスクの見積り結果等によりその優先順位を決めることができる。

・残されたリスクについて「守るべき事項」の理由が明確になる

 技術的、時間的、経済的にすぐに適切なリスク低減措置ができない場合、 暫定的な管理的措置を講じた上で、対応を作業者の注意に委ねることになりまる。この場合、リスクアセスメントに作業者が参加していると、 なぜ、注意して作業しなければならないかの理由が理解されているので、守るべき決めごとが守られるようになりる。

・職場の全員が参加することにより「危険」に対する感受性が高まる

 リスクアセスメントを職場全体で行うため、 業務経験が浅い作業者も職場に潜在化している危険性又は有害性を感じることができるようになる。

リスクアセスメントを進めるための基本的な手順

手順1 危険性又は有害性の特定

機械・設備、原材料、作業行動や環境などについて危険性又は有害性を特定します。

ここでの危険性又は有害性とは労働者に負傷や疾病をもたらす物、状況のことで、作業者が接近することにより危険な状態が発生することが想定されるものをいいます。

危険性又は有害性は「ハザード」ともいわれます。

手順2 危険性又は有害性ごとのリスクの見積り

特定したすべての危険性又は有害性についてリスクの見積りを行います。

リスクの見積りは特定された危険性又は有害性によって生ずるおそれのある負傷又は疾病の重篤度と発生可能性の度合の両者の組み合わせで行います。

手順3 リスク低減のための優先度の設定・リスク低減措置内容の検討

危険性又は有害性について、それぞれ見積られたリスクに基づいて優先度を設定します。

手順4 リスクの低減措置の実施

リスクの優先度の設定の結果にしたがい、リスクの除去や低減措置を実施します。

リスク低減措置は、基本的に次の優先順位で検討、合理的に選択した方法を実施します。

設計や計画の階段における危険な作業の廃止、変更等

インターロックの設置等の工学的対策

マニュアルの整備等の管理的対策

個人用保護具の使用

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